(株)NTTクオリス関西工場の活字展示

(株)NTTクオリスは主として電話帳を手がける会社で、その歩みは約50年。

近畿電話印刷(株)に始まり、NTTプリコム(株)、(株)NTTクオリスと社名変更し、また、設備の高度化に伴う効率的生産体制の実現と経営体質の強化を目的として、2003(平成15)年に全国の工場を一社化しました。

電話帳にも活字組み版の時代がありました。

(株)NTTクオリス関西工場には電話帳の活字組み版が1ページずつガラスケースに収められ、展示してあります。

高度経済成長と印刷設備の向上に伴い、日本の印刷にも大量生産の時代が訪れます。

1965年頃、日本に無線綴(製本仕様の一種で糊付け製本)の機械が導入されました。

まずは輸入機が導入されますが、接着剤(糊)が原因でうまくいかず、国産機が分析、改良などを重ねて実用機を生み出していきます。

それを支えたのが、電話帳の製本と、優れたホットメルト(糊の種類)の開発でした。

電話機が一気に普及していく時代、電話帳の活字組み版のノウハウを作り上げた当時の活気やご苦労をぜひお聞きしてみたいものです。

展示の電話帳活字組み版には「昭和58年3月1日 原版作業終了」と組まれています。